たわむれに母を背負いて
そのあまり軽きに泣きて
三歩あゆまず
このお話は私の家の話ではありません
でも、現実におきている悲しいお話です
今日は僕は初めて母に手をかけた
朝食時にお椀をひっくり返し、こぼれたご飯を踏んづけている母を見て
振り払ったつもりが、母はぶっ飛んでしまった
それほどに母は小さく、軽くなっていた
介護つかれで妻は実家に帰っており、子供達は受験でイライラしている
家族がバラバラになっていく
家族で話し合い、母を施設に入居させる事にした
明日から施設の前の晩
旅行にでも行くと思うのか、嬉しそうに古い鞄に荷物を詰めこむ母に背を向け
僕は泣いた
母1人子1人でただひたすら働き、自分の物はなにも買わず、僕には友達と同じようにしてくれた
僕は母を生涯守ろうと思った
なのに、今の僕はどうだ。。。
翌朝母を施設に送り届け、もの珍しそうに色んな物を触る母の背に、度々訪れる事を誓いながら椅子から立ち上がり母に背をむけた
小さくなった母はボンヤリ見ていたが、何を思ったのか僕に駆け寄り上着の裾を握り
「今までありがとう。。。体に気をつけるのだよ」と言った
一瞬、昔の母になっていた
僕は、自分の力のなさを責めた
悲しいですね。。。
でも、それで良かったのだと思います
母親は自分が原因で、子供が苦しんでいる姿は見たくありません
例え離れても、子供が幸せで笑顔が戻るのなら、それが母親の幸せだから。。。
今後更に突入する、老人大国
でも、いつの時代も子供に対する親の気持ちは同じかと思います